金魚とめだか「季々」

飼育法など。

金魚の病気:予防と対策。

調子が悪くなった原因を考えてみる。

まずは、いつもと違ったことはなかったかを振り返ってみましょう。

①水換えのときに水温合わせは?

一番大事!水温合わせがうまく出来てなかったと判明しても、弱ってる金魚にあれこれ余計なことをせず、金魚の生命力に賭けて様子をみるしかありません。

②カルキは抜いた?

どんぶり飼育や導入したばかりの新水状態だと絶対カルキ抜きが必要です。もし入れ忘れていたら、今すぐカルキ抜きを入れてそのまま様子をみます。私は気付かないまま2時間くらいカルキ入りの水に入れっぱなしにしたことがありますが、その後無事に回復してくれました。

③いつもと同じ水道水?

同じ家の水でも、外水栓と中水栓では水質が違う場合があります。そのまま金魚の順応力に賭けるか、元の水栓の水に水合わせして再度移し替えて様子をみるしかありません。

④古水を大幅に捨ててしまった?

日々の水換えでは、古水は大事に残しながら環境が大きく変わらないように気をつけなければいけません。(どんぶり飼育は例外) もし大幅に古水を捨ててしまったのに、水合わせすることなくほぼ新水の中に金魚をいきなり入れてしまった場合は、金魚の順応力に賭けて様子をみるしかありません。

⑤急激に気温水温が変化した?

急激な水温変化を繰り返すと金魚は弱ります。水温変動が少ない場所へ移動させて様子をみるしかありません。

⑥水が悪くなった?

水換えをしなさすぎると金魚が弱っていきます。すぐ1/3〜1/2の水換えを行いましょう!その後も数日間連日で軽く水換えを行い続けたら水質は改善するので、金魚も回復していくと思います。

⑦新しい金魚を迎えた?

新しい金魚は、おうちの先住金魚が対応できない菌を持ち込むことがあります。寄生虫や細菌による病気であれば、薬を使って治療をしていきます。

⑧何か過保護に手を加えた?

不要なものをあれこれいれすぎるなど、金魚にとって良かれと思ってしたことが逆効果になることもあります。すぐに水換えを行い、いつもの環境に戻し、様子を見るしかありません。

 

人間ですから、不慣れなうちはミスはあるものです。慌てふためいて間違った対応をすることがないように、落ち着いて対応しましょう。

 

 

病気の対応。

金魚の病気はとても数多くあります。

病名がはっきり分かるような、目に見えておかしい状態なら、その病名に効果的な薬を使うことが回復への一番の近道です!

その場合は、薬が売られているペットショップやアクアショップへ行き、病気になった金魚の写真や動画を見せて薬を選んでもらってアドバイスをもらって治していきます。

※細菌性や寄生虫の病気になったら、元の飼育容器は60度の熱湯で洗浄して天日干ししてリセットしておきましょう。

 

問題は、原因に思い当たる節がないのに "なんとなく調子が悪そう" という場合。

この場合に、塩を使う塩浴をする方がとても多いのですが、私は使いません。

塩を使いたければ、ネットで方法を調べて使ってみても良いと思いますが、私は塩浴って面倒くさいので嫌になってしまいました。笑

何グラムっていちいち計らないといけないし、塩を触ってると周りにボロボロこぼれてイライラするし、急に塩分濃度があがってはまた金魚の体調を悪化させてしまうので、気を使ってゆっくり濃度をあげていき、また真水に戻すときにもゆっくり下げていかないといけません。

しかも、塩浴すると最初2、3日間は急激に水が悪くなりやすく、毎日全換えしてその都度塩を計ってボロボロこぼす!

初日なんて、半日で一度全換えして塩を入れなおさないといけないほど水質悪化が目立ちます。

手がかかる癖に、めちゃくちゃ有効な手段なのか?と考えたら、それほどの万能薬でもない。

時間かかるし効果よくわからないし面倒くさい〜〜〜!

 

「では、どうしているのか?」というと…

以下は、私個人の方法です。

結局最後はそれぞれの自己判断によりますので、ご参考程度にお読みください。

 

1に放置、2に新水療法。

▶︎1の放置について。

まず、「金魚だって調子悪い日くらいある」ってことを理解していただきたいと思います。

そのことを理解出来る方なら分かると思いますが、人間だって少し調子が悪いくらいで薬は飲みませんし、ましてや病院になんて絶対行かないでしょう。

「寝る、休む、ゆっくりする。」

これで治ることはたくさんありますよね?

 

なので、金魚も少々調子悪そうなくらいなら、今までの環境のまんま休ませてたら大概回復します。

原因がはっきりしないなら、下手にあれこれ水を触って無理させるより、まずは休ませることです。

もちろん、通常の水換えは即時行います。餌は食べるなら与えるし、食べないなら与えません。

万が一、休ませている間に悪化したり病名がわかるくらいになったら、その時行動に移してください。

 

▶︎2の新水療法について。

新水療法とは、どんぶり飼育や導入時のトリートメント期間と同じで、毎日毎日水を全換えすることです。

毎日全換えするため、バケツやたらいなどの全換えが楽に出来る容器へと金魚を移します。

 

「水換えだけして放置なんて無理!どうしても何かしたい!」という、飼い主的に居ても立ってもいられない状態ならば、ゆっくり水合わせをして新水に入れてみましょう。  (ただし、明らか泳がず漂ってるだけの状態の時にこれをやると一発で死にます。あくまで、"なんとなく調子が悪そう"の場合に限ります。)

…実は、なぜか新水に入れるだけで、金魚は何の刺激を受けるのかたくさんフンを出してくれます。

新水の刺激でフンを出し切り餌切りを行うことで、消化やフンを出すことに余計な体力を使うことなく、数日綺麗な水の中で自己回復に専念でき、改善・回復することがあるのではないかと私は考えています。(真相は知りません)

とはいえ、私はこの新水療法をすることもほとんどありません。だいたいは、"放置"(通常の水換えのみ)で回復させています。

②新水療法をして回復していると感じたら、餌を一粒与えてみましょう。

③食いつきがよければ翌日にさらに餌を増やします。

④健康なフンがきちんと出るようになって数日後に、元の飼育環境に水合わせをしてから戻します。

…戻す前に、元の飼育容器の方もしっかり水換えを行なっておきましょう。

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⑤新水療法の間に細菌性や寄生虫の原因がはっきりした場合、そのままその新水に薬を投入し、薬浴しながらの新水療法を続けましょう。

特に寄生虫は、薬で一時的に成虫を消滅させても、生き残った寄生虫の次世代や三世代等がいて、しばらく勢力が衰えません。

そのため、毎日の新水への全換えと薬投入により、どんどん勢力を衰えさせる必要があります。

⑥薬浴期間を終えても、完全に回復したかどうかがはっきりするまでは新水療法を続けます。

⑦餌を食べて健康なフンも出るようになったら新水療法を終了し、また元の飼育容器に戻して、水作りをしながら育てていきます。

※細菌性や寄生虫の病気になったら、元の飼育容器は60度の熱湯で洗浄して天日干ししてリセットしておきましょう。

 

我が家の金魚の症状例。

タイプA

浮き症状に陥りやすい子がいます。(夕方から浮き始めます。)

夏の間は放置してましたが、9月になったら餌を消化の良いものに変えて、昼2時までに食べ終えさせるようにしたら治りました。

10月には午前までに食べ終えさせるようにしました。

 

タイプB

尾びれが溶けやすい子たちがいます。

おそらく癖みたいなもので、水の変化に敏感に反応して溶けやすいようです。

少し溶けてはまた戻り、レースのような尾びれになってますが、尾腐れ病とは違いますので放置しています。

 

タイプC

白内障になりやすい子たちがいます。(出目金は目が弱くてなりやすいみたいです。)

夏場の水質悪化か水温が高かったせいか、目の表面が白く濁りました。

トロ舟での上見飼育のため気付くのが遅れました。

眼球が曇ってることに気付いてからはしばらく毎日水を替えるだけで治りましたが、眼球だけでなく瞳まで白くなってしまった子はそのまんまになってしまいました。

けれど普通に元気に生きています。

来年の夏は気をつけてあげたいと思います!

 

タイプD

肉瘤に吹き出物が出来やすい子がいます。

肉瘤の発達によるニキビである可能性もありますが、根元が赤い吹き出物の場合はそうではないらしく、しかしこれも治るまで水換えを毎日していたら1週間ほどで消えました。

その後もたまに吹き出物が現れておりますが、出来やすい子と分かってからは注意して見ているので、早期発見のおかげで水換えをしたら1日で消えています。

(↓吹き出物が出来やすい子の写真です。写真では完治した状態。)

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…このように、我が家では何かするとしても "水換え" であり、ほとんど何もしておりません。

少しの異変で慌てて無茶な治療をせず、むしろこういう小さな症状が出やすい子は「水換えのタイミングが分かって便利なサインだ!」と思って付き合っていくといいかもしれません。

 

しかし、これは屋外飼育だからこそ可能な対応だったりします。

屋外飼育では紫外線の殺菌能力により病気になりにくく、病気になっても回復しやすい丈夫な金魚が育つので、このように金魚の自然治癒力に任せていられるのです。

なので私は、初めて金魚を飼う方こそ屋外飼育をお勧めしています。

 

もし金魚が死んでしまったら。

万が一、飼育者の明らかなミスで金魚を亡くしてしまったら、そのミスは次に生かしてください。

そういう経験することで、次のミスが防げるのです。

初めから成功する人なんてこの世にはいません。

何度もミスを繰り返して経験を積む人がほとんどではないでしょうか。

一度のミスで"金魚を飼うことに向いてない"と思い込んでしまうのは残念なことです。

 

しかし実は、金魚を死なせてしまう時って、どれだけ経験を積んでいる人でも「努力の甲斐虚しく」…ってことがほとんどです。

それは金魚も人間と同じで色んな子がいるからです。

遺伝的に強い子もいれば弱い子もいるし、うまく環境に慣れない子もいればすっと馴染む子もいる。

ストレスを感じやすい子もいれば鈍感な子もいる。暑いのが苦手、寒いのが苦手、食が細い、太りにくい、便秘症、運が悪い、色々です。

なので、もし金魚が死んでしまっても、「仕方なかった」と割り切る気持ちを持ってください。

環境が合い、体が強く、鈍感力のある、運の良い金魚であれば、ちゃんと末永く金魚飼育が出来ます。

そんな金魚と出会えることを願っています。