屋外飼育:季節ごとの飼育方法。
春(4月5月)
屋外飼育の金魚を購入するならこの時期がベスト。
厳しい冬を越すためには、暑い夏を経験させた方が冬越しの成功率はあがるので、気候の安定しだす4月5月の暖かい頃に新しく金魚をお迎えしましょう。
もちろんずっと屋外飼育で育ってきた子だと、冬以外ならいつでもお迎えして大丈夫です!
しかし、ペットショップなどでヒーターを使って生きてきた子は屋外飼育に慣れていませんので、春スタートでないとうまく馴染めず亡くなってしまうかもしれません。
そしてこの時期から次の冬眠に備えて、餌の回数と量を増やして、大きく太く体を作り上げておきましょう。
梅雨(6月)
もし屋根のない雨ざらしの場合、雨の日は波板や木の板などで塞いであげると良いです。一日くらい雨に晒してても、飼育容器の水量が多ければ水質が大きく変わることはありませんが、もしも雨の日が続くとさすがに雨の中へ水換えをしに行かねばならず面倒くさいことになります。
ちなみに、溢れた水で金魚が流されることはまずありませんが、泳ぎの達者な和金系の金魚なら水位が高いと勢い余って飛び出してしまうことはあるかもしれませんので、やはり雨水に晒しっぱなしというのは少し不安があります。
波板はホームセンターで安くで売っています。
カットするためのハサミはホームセンターで波板用バサミを借りれると思いますが、刃の長い大きな枝切りバサミだと早く綺麗に切れました。
まな板のような厚みのある木の板を選ばれる場合は金額的には高いと思いますが、手に入るのであればその方が見栄えも良く強風の時も飛んでいくことがありませんので安心です。
雨の日の餌やりについてですが、雨の日はわざわざ餌を与えに行かなくても大丈夫です。
水温差水質差があるような日はむしろ与えない方が金魚の負担もありません。
餌切りして放っておきましょう。
屋根のある屋外で飼育されている場合も、水質差はないものの水温差はあるかもしれませんので餌を与えに行かなくても大丈夫です。
夏(7月8月)
夏は水温がどんどん高くなって「金魚が煮魚になるのでは?」と心配になってくる季節です。笑
心配性の人がやりがちな、氷を入れたり極端に冷めたい水を入れたりは絶対ダメです(O_O)
屋根のない屋外飼育の場合、直射日光が入らないよう簾をして、水温が高くなりにくくすることが精一杯の対策かなーと思います。
もちろん、影のある北側に移動できるなら、それが一番良いですね!
そして、水温が高くなると水質が悪くなりやすく、水の中の酸素も減りやすいため、それを防ぐには 兎にも角にも水換え!!!
とにかく夏は頻繁に水換えをしまくりますっ!
夏は朝の涼しい時間の間に水換えを行います。
青水なら青水維持の水換えを。
透明水で水が悪くなってなさそうでも、酸素不足解消のために水換えを行います。
朝の涼しいうちなら水道水から直接入れても温度差はありませんが、この季節になると昼の水道水は激アツになりますので注意してください。
先程「水道水から直接」…と書きましたが、びっしり苔が生えていたり青水の場合、通常水換え(1/3量)程度ではなんと中和剤は不要です!
自然界のものたちが中和してくれるそうです。
自然界は素晴らしいですね!
夏の水換え量や水換えのタイミングについては、飼育場所や飼育容器や匹数や生体の大きさにもよるため、ここでははっきりと言えません。
しかし私の場合の参考で言うならば、26リットル睡蓮鉢で大型琉金二匹の飼育で青水のところは1ヶ月放置していても大丈夫でした。
他の金魚の透明水容器では平均週一回という感じでした。
(注)水換えをしなくとも、蒸発した分の足し水は行うこと。
台風の場合、事前に来ることがわかっているため、台風の前日や前々日から対策をしておきましょう。
雨除けの波板が風で飛ばないよう対策したり、あまりに大きな台風とわかっているようなら初めから波板は外しておき、雨水で水かさが増えることを想定して飼育容器の水かさを減らしておきます。
前々日…台風中に糞をして水を汚さぬよう餌切りを始めます。
前日…大幅に1/2ほど水換えをして備えます。(もしも災害で水道が止まっても、餌きりをして大幅に水を変えていたら数日は安心です。)
台風が去った後…飼育水に大量に雨が入った場合は軽く水換えを行い、餌を再開します。
秋(9月10月)
夏の終わり(8月末〜9月はじめ)に一度大掃除を行い、9月から冬眠に備えて青水を作り始めたり、苔や冬にも強い水草を残していくようにします。
夏の間に青水になっていたら青水維持を続けます。透明水なら青水がなりにくい環境なのかもしれませんので、苔や水草を育てます。
なんとかして青水にしたい場合、飼育場所を日当たりの良いところに変えて、ネットショップで"濃縮生クロレラ水"を購入して適量を飼育水に混ぜると青水になる可能性があります。
透明水で冬眠させる場合、苔を綺麗に維持するために苔掃除のときに1/4ずつ削っていって、1/4が生えたら次の1/4を削るという流れで緑の苔になるまで順に掃除をしていく感じです。
たとえ緑の苔にならなくとも、苔が無いよりあった方が良いので、茶色の苔でも残していきます。
水草は日本の冬でも耐えうるアナカリスを買って入れるのが無難です。
朝晩の気温が寒くなって昼との水温差が開いてきたら、餌を1回にしてお昼までに餌やりを済ますようにし、1回量の餌の量も減らします。(夏に与えていた量の1/2程度)
もし浮きやすい子がいるなら、餌をあっさりした消化の良いものや低水温用の餌に変えましょう。
餌を減らすと糞をあまりしなくなるため、水換え頻度は減っていきます。
水換えは、泡が消えにくいと感じたり、秋晴れでとても暑い日が続いた時に丁寧に行いましょう。水換えの時間は、水温があがって金魚の活性が良い時間帯に行います。
この時期は水道水だと水温差があるので、前日からの汲み置き水を使いましょう。
水換え量はほんの少しで大丈夫だと思いますが、水汚れが激しいようなら、それでも1/3に留めます。
特に青水はたくさん水を替えてしまうと一気に透明化が進みますので、青水に関しては水足しだけでも大丈夫です。
写真は10月に購入した子達。(少し青水化が始まっている状態)
導入と同時に冬眠のために青水飼育水を作り出しました。
冬(11月12月)
11月中、日中寒い日は餌を抜きます。暖かいことが予想される日はお昼までにほんの少し与えておきます。(10月に与えていた量の1/2程度)
水換えは暖かい日のお昼間に1/9程度のほんの少しだけ行います。足し水だけでも良い日も多くなってくるでしょう。
12月中、昼間でも水温13度を切るようになったら餌切りしていきます。餌切りして糞を出さなくなり、金魚の活動も鈍くなってきたら水換えをやめ、強制的に冬眠させていきます。
(注)冬眠していても、飼育水が蒸発して減った時は足し水を行う事を忘れずに!
真冬(1月2月)
冬眠中です。絶対に放っておくこと。ここで変に手を入れると金魚を死なせます。
冬は空気の乾燥で飼育水が思いのほか早く蒸発しますので、足し水を比較的暖かい日を狙って優しく行なってください。
冬明け(3月)
プロは繁殖のために大幅な水換えや掃除で金魚を目覚めさせていきますが、通常は金魚にお任せで無理な事はしないでおきましょう。
大幅な水換えをせず、水面に泳ぎだすようになったら暖かい昼頃に餌をほんの少し与え、餌を与えることが増えて糞をするようになったら、数日暖かい日が続くと予想される暖かい時間に汲み置き水を使って水を少しだけ替えていきます。(初めの水換え量は1/9程度で良い)
餌の量が増えてきたら、水換え量をどんどん増やして網で底のゴミや水面のゴミを取り除いていきましょう。
春(4月)
餌をよく食べ気候も安定しだしたら、一度飼育容器を掃除し、水も1/2程丁寧にゆっくり替えてみましょう。
無事に大幅な水換えが済んだら、また次の冬眠までにしっかり肥やして大きく育てていきましょう!